ナカグロが行く!島田製本さん編

島田製本株式会社さんへ見学へいきました。

というのも前会社マルプの清水師匠が美大での授業を受け持つことになりその教材制作を依頼した縁で見学話が持ち上がったところへ、ナカグロも交ぜて頂ける事に…。ラララッラッキ~いけだ!!!師匠!ありがとうございます〜!

ちなみに、こちらの島田製本さんというのは印刷された本の各パーツを「本」の状態へ組み立てくれる会社です。今回は束幅や、完成イメージを掴むためデザインの前段階で送られてくる「束見本」制作を見学します。(島田製本さんでは束見本を手作業で制作されています)

 

どきどきワクワクの当日。まずはマルプの美女っ子3姉妹と待ち合わせ、世間話もそこそこに島田製本さんの社屋へ移動です。案内されたのは地下にただずむ作業場、ふと顔をあげればそこに静かにたたずむ職人さん。なんと島田製本さんの「束見本」はこの方が手作りで一手に担うとのこと! 


わかりやすく行程順にご紹介していきます。

 

まずは本文の折(紙の束)を作っていきます。一折16ページ(8pや32pもある)で、この紙の束=「折」の倍数によって本の総ページ数が決まり、それにあわせて束幅が決まってきます。もちろん紙の種類によって厚さが違うのでどの紙を使うかによっても束幅は大きく変わってきます。ちなみに余談ですがこの折というのは印刷機の台数(もしくは回数?)でもあり、128ページの本=8折=印刷された大きな一枚の用紙を折込み、たたんで切って紙の束にしたもの×8ということです。それをここでは手作業で折っていきます。ちなみに束見本なので印刷されていないまっさらな紙で作業をしています。


糸綴本の場合は折の背側を糸で綴じながら束ねていきます。そしてバッサリ断裁!指もばっさり!…というエピソードは昔の断裁機あるある…だそう。横に置いてあるバンソコーが妙に怖い…。


次は丸背(くりんっと丸くなっている背)上製本の工程で一番難しい、丸み出しです。あの丸み、束見本では職人さんが手作業でだしているとのこと!!しれっと何も語らず背を丸くしていく職人…。小口側の本文に親指をかけて半分(少なめ)を指で掴みのど側へと押し出していきます。その後、裏返して残りのもう半分をのど側へ押し出していきます。これ体験するとわかりますが、めちゃくちゃ難しいです。力の入れ加減とバランスがとても感覚的でなかなか丸くならない…。美女っ子たちも苦戦の様子。丸みが出て来たら木べらでより自然な丸みへ整えます。ちなみに束幅が増えれば増える程、難しくなるそうです。我が家にある事典なみの丸背の束見本を思い出し…少し涙が…。


そうこうしながら丸くした背にさらに機械で奇麗に整えます。この機械も手を挟みそうで、結構ビビります。背を少し出した状態で万力のようなマシーンに本を挟み固定させ、レバーを引くと背側を大きなローラーが「ガシャコンッ」と軽快な音を鳴らしながら何度か往復して転がっていきます。なっなっなんだかジブリに出て来そうな動き!!…たまらんです。ちなみに背側アップの写真は並製ですが背を少し残して両面から圧がかかっているのが見て取れるかと。こうして圧着させカタチを整えていきます。


出来た紙の束(本文部分)をいよいよ表紙と合体させるための準備です。まずは背にニカワを塗りそこに寒冷紗、しおり、花切れを貼付けていく。僕らはやると手がぷるぷるして、かなり緊張…。もちろん花切れがひん曲がりました。


上製本の表紙は表(表1)、背、ウラ(表4)の3つの厚紙パーツから構成されています。それを奇麗に並べ、紙やクロスで包んで糊で固定します。これで本文を保護するわけです。ちなみに表紙のデータを作成するときに表紙サイズから+15mm必要なのはこの中側への折り込み部分が必要だからです。+3mmは厚紙の厚さ分です。それを先程の本文部分に接着し、これまた機械で溝部分を挟み込むように圧をかけて、最後に見返しを糊で張りつけると見事、上製本の完成です。ちなみに少し表紙がカーブを描いているのは乾いたときの紙の伸縮を考慮してよりキレイに見せる為の工夫だとか!素晴らしい技術…。


当たり前に編集者さんからお預かりしていた、束見本。その一冊にすらこんなに豊かなドラマがあり、人が関わっているという事実がより「本」を愛おしくさせてくれます。本作りの工程にデザイナーとして関われていることへのありがたさとその責任をふつふつと感じます。孤独じゃないぞブックデザイン!みんなでつくる、この共闘感!大事にしたいです。

 

見学の機会を頂いた島田製本株式会社さんと

マルプに心から感謝です!